【八千代市】親が施設に入居した実家、空き家の管理はどうする?方針が決まるまでの数年をどう乗り切るか
親御様が高齢者施設に入居され、ひとまず胸をなでおろされたのも束の間、次に頭をよぎるのが「実家をどうするか」ではないでしょうか。売却するのか、きょうだいの誰かが受け継ぐのか、しばらくそのままにしておくのか。ご家庭ごとに事情は違いますし、話し合いを重ねてもすぐに答えが出るものではありません。
ところが、方針が決まらない間も、実家は確実に空き家になっています。しかも遠方にお住まいだと、そう頻繁には様子を見に行けません。「そのうち片付けよう」と思っているうちに、庭木が伸び、郵便物がたまり、いつの間にか近所から声が上がる。私たち家工房 八千代緑が丘店には、八千代市内でそうしたご相談が年々増えています。
この記事では、方針が決まるまでの「宙ぶらりんの期間」に何が起きるのか、そして何を止めずに続けておけばよいのかをお伝えします。
結論。方針が決まるまでの間は「庭・郵便物・風通し」の3つを止めないでください
先に結論をお伝えします。売却するか残すかが決まっていなくても、この3つだけは止めないでください。
1つ目は庭です。
伸びた枝の越境は、ご近所とのトラブルとして最も早く表面化します。しかも後述の通り、八千代市の条例では雑草は行政が指導できても、樹木は指導の対象外です。つまり当事者同士の問題になります。
2つ目は郵便物です。
ポストにたまった郵便物は、空き巣にとって「この家は何週間も誰も来ていない」という最も分かりやすいサインになります。
3つ目は風通しです。
人が住まなくなった家が急速に傷む最大の理由は、湿気が逃げ場を失うことにあります。
この3つを続けている限り、方針の決定にいくら時間がかかっても、家の価値は大きくは落ちません。逆にこの3つを止めた瞬間から、家は坂道を転がり始めます。
| 止めてはいけないこと | 放置すると起きること | 目安の頻度 |
|---|---|---|
| 庭木の剪定・除草 | 枝の越境による近隣トラブル。伸びた植木が空き巣の死角になる | 剪定は年1〜2回、除草は年2回(6月・9月) |
| 郵便物の回収 | 「数週間誰も来ていない家」という空き巣へのサインになる | 月1回以上 |
| 換気と通水 | 湿気の滞留でカビ・木材腐朽菌が繁殖。封水が切れて下水の臭いと害虫が侵入 | 月1回 |
施設入居で空き家になる家は、決して珍しくありません
まず知っておいていただきたいのは、これがご家庭固有の悩みではないということです。
総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。
では、なぜ家に人が住まなくなるのか。国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、その理由の第1位が「死亡」で約44%、第2位が「別の住宅への転居」で約39%でした。この第2位には、高齢者施設への入居や子世帯との同居が含まれます。両者を合わせると約8割です。つまり空き家のほとんどは、投資の失敗でも管理の怠慢でもなく、ご家族のごく自然なライフイベントから生まれています。
八千代市も例外ではありません。令和6年9月30日現在、市の総人口206,540人に対して65歳以上の高齢者人口は51,154人、高齢化率は24.77%です。市内には特別養護老人ホームが15施設あり、そのほかにも多様な高齢者向け住宅の整備が進んでいます。
方針がすぐに決まらないのも、また普通のことです。株式会社ジェクトワンの調査では、空き家について自分に決定権があると答えた方が85.7%にのぼる一方、そのうち約7割が今後1年の行動として「放置・現状維持」を選んでいました。決められる立場にありながら決められない。それが実態です。
方針が決まらない理由は、たいてい「感情」と「お金」です
空き家のいろはが実施した調査では、実家を相続した際のきょうだい間トラブルとして「売却するか残すかで意見が分かれた」が最も多く、次いで「管理費や固定資産税の負担でもめた」「話し合いが進まず放置状態になった」が続きました。生まれ育った家を手放したくないという気持ちと、誰も住まないなら維持費が出ていくだけだから早く現金化したいという考え。どちらも間違っていません。だからこそ平行線になります。
もうひとつの壁が、家の中に残された大量の物です。売却するにせよ賃貸に出すにせよ、残置物を撤去しなければ話が前に進みません。ところがこの費用が数十万円単位になることも珍しくなく、誰がどの割合で負担するかで話し合いが止まってしまう。「片付けが終わっていないから、売却の話に進めない」という状態は、現場で本当によく耳にします。
私たちは不動産や相続の専門家ではありませんので、どちらを選ぶべきかまでは申し上げられません。ただ、片付けが壁になって話が進まないという部分については、お手伝いできます。
決まらない間に、家は静かに傷んでいきます
「家は人が住まなくなるとすぐに傷む」とよく言われますが、これは気持ちの問題ではなく、はっきりした物理的な理由があります。
人が生活している家では、窓の開閉や換気扇、人の移動によって空気が絶えず入れ替わっています。空き家になって密閉状態が続くと、内部の空気が滞留し、湿気が逃げ場を失います。日本の高温多湿な気候のもとでは、これはカビと木材腐朽菌にとって理想的な条件です。木材の含水率が上がると腐朽菌が木の成分を分解し始め、建物を支える力そのものが落ちていきます。湿った暗所はシロアリが最も好む環境でもあります。
もうひとつ見落とされがちなのが、排水管の封水です。
キッチンや洗面台、トイレの排水管には、途中で水を溜める湾曲した構造があり、この水が下水管から上がってくる臭いや害虫をせき止める蓋の役割を果たしています。ところが水を流さない状態が続くと、季節にもよりますが数週間から数か月でこの水は蒸発してしまいます。封水が切れると下水の臭いが室内に充満し、ハエやゴキブリ、ネズミが下水管を伝って上がってくる経路ができます。久しぶりに実家の扉を開けたら異臭がした、というご相談の多くは、これが原因です。
劣化の進み方には、おおよその目安があります。
| 放置期間 | 家に起きること | 回復に必要なこと |
|---|---|---|
| 半年〜1年 | 室内にカビが発生。壁紙の剥がれや臭いが出始める | 清掃と換気で戻せる範囲 |
| 3年 | 屋根や外壁の劣化・ひび割れが目立ち始め、売却価格に影響が出る | 外装の補修が必要になる |
| 5年以上 | 床下の湿気で土台が腐朽。雨漏りで構造材にダメージが進む | 多額のリフォーム、または解体の検討 |
月に一度、窓を開けて水を流すだけでこの進行は大きく変わります。地味ですが、これが最も費用対効果の高い管理です。
八千代市で最初にトラブルになるのは、ほぼ庭木です
私たちが空き家のご相談を受けるとき、きっかけとして最も多いのが「隣の方から言われた」というものです。建物の傷みは外から見えにくいのですが、庭木の越境は誰の目にも明らかだからです。
ここで知っておいていただきたいのが、2023年4月1日に施行された改正民法233条です。越境した枝の扱いが、この改正で大きく変わりました。
改正前は、隣の敷地から伸びてきた枝を、隣地の方が勝手に切ることはできませんでした。できるのは「木の所有者に切らせること」だけです。そのため所有者と連絡が取れない空き家の場合、隣の方は伸び放題の枝に悩まされ続けるしかありませんでした。
改正後は、次の3つのいずれかに当てはまる場合、隣地の方が自ら越境した枝を切り取れるようになりました。
| 要件 | 内容 | 空き家の実家で起こりやすい状況 |
|---|---|---|
| 催告しても切らない | 木の所有者に切除するよう伝えたのに、相当の期間内に切らないとき(相当の期間の目安は一般に約2週間とされます) | 連絡はついたが、遠方のためすぐに動けないまま2週間が過ぎる |
| 所有者が分からない | 木の所有者を知ることができない、またはその所在を知ることができないとき | 登記名義が親のままで、施設入居後の連絡先が近隣に伝わっていない |
| 急迫の事情がある | 台風で今にも倒れそうなど、緊急を要するとき | 強風で幹が傾き、隣家の屋根にかかりそうになっている |
つまり、実家を空き家にしたまま連絡がつきにくい状態にしておくと、ご自身の知らないところで庭木が切られていた、という事態が法的にあり得るということです。
ただし2つ目の「所有者が分からない」という要件は、「普段人が住んでいないから分からない」という主観的な理由だけでは認められません。不動産登記簿や住民票などの公的な記録を調べたうえで、それでも判明しないという客観的な状況が必要です。
なお、越境してきた「根」については、改正前から隣地の方が自分で切り取ることが認められており、これは改正後も変わりません(民法233条4項)。枝と根で扱いが違う点は、意外と知られていません。
もっと重いのが、倒木や落枝で隣家や通行人に被害を与えてしまった場合です。民法717条は、土地の工作物の設置や保存に瑕疵があって他人に損害が生じたとき、最終的に所有者が責任を負うと定めており、これは竹木にも準用されます。怖いのは、この所有者の責任が無過失責任である点です。腐りかけた木を放置していた庭木が強風で隣家に倒れ込んだ場合、「自然災害だから仕方がない」という主張は通りません。過去の裁判でも、通常有すべき安全性を欠いていたと判断されれば所有者の賠償責任が認められています。
八千代市の条例では、雑草は指導できても「樹木」は対象外です
ここで、八千代市にお住まいだった方に特にお伝えしたいことがあります。
八千代市には「八千代市あき地に係る雑草等の除去に関する条例」があります。あき地が管理不良な状態、つまり雑草が繁茂して放置されている状態にあるとき、市長が所有者に対して指導・助言、勧告、命令を行うことができるという内容です。
ただし、この条例が対象としているのは「雑草、枯草及びこれらに類するもの」に限られており、樹木や竹木は指導の対象外と明記されています。
これが何を意味するか。雑草については市が間に入って指導してくれる可能性がありますが、庭木の越境については、行政は動いてくれないということです。結果として、ご近所の方とご家族の間の直接のやり取りになります。感情のもつれに発展しやすいのは、圧倒的にこちらです。
だからこそ、庭木だけは先手を打っておく価値があります。
空き巣は「人が来ていない家」を、こうやって見分けています
防犯についても、空き家をめぐる状況はここ数年で明らかに変わりました。
警察庁の統計では、空き家を狙った侵入窃盗の認知件数が2025年に1万件を超え、統計を取り始めた2020年以降で初めての水準となりました。2020年比でおよそ3.7倍という増え方です。
千葉県の状況はさらに切実です。千葉県警の公表によると、2025年の県内の住宅や神社等での侵入窃盗は1,500件余り発生していますが、そのうち家主の入院や死亡で空き家となった住宅が8割を占めています。八千代市を含む県内で、施設入居後の実家がどれほど狙われやすいかが分かる数字です。
そして重要なのは、空き巣が無作為に家を選んでいるわけではないということです。事前の下見で、次のような「管理の空白」を示すサインを読み取っています。
| 下見で見られているサイン | 空き巣がそこから読み取ること | 打てる手 |
|---|---|---|
| 郵便物の滞留 | ポストからチラシが溢れ、雨に濡れたままになっている状態は、数週間単位で誰も訪れていない証拠になる | 月1回以上の回収。長期不在なら郵便局の一時停止も検討 |
| 庭木や雑草の繁茂 | 手入れが放棄された庭は管理されていない家の証。伸びた植木が犯人の身を隠す死角になる | 年1〜2回の剪定と、年2回の除草 |
| 雨戸と照明の変化 | 昼間でも雨戸が閉ざされたまま、夜になっても一切明かりがつかない状態が続いている | 訪問時に雨戸を開閉する。タイマー式の照明も有効 |
| 置き石などのマーキング | 門扉や玄関先に置いた小石が数日後も動いていなければ、人の出入りがないと判断される | 訪問のたびに玄関まわりを点検する |
現場で長く仕事をしていると、この見立ては実感と一致します。空き巣は、生活している印象がなく、なおかつ室内にまだ物が残っていそうな家を狙います。その判断材料が、庭木の手入れ具合であり、いつも閉まったままの雨戸であり、ポストの郵便物なのです。どこかで必ず見られていると考えたほうがいい。
だからこそ、定期的に誰かが出入りしているという印象をつくることが、何よりの抑止力になります。
あわせて、物理的に時間を稼ぐことも有効です。都市防犯研究センターの調査によれば、侵入を試みてから諦めるまでの時間は「2分以内」が17.1%、「2分を超え5分以内」が51.4%でした。つまり侵入に5分以上かかると約7割が、10分以上かかると9割以上が犯行を諦めます。補助錠の追加や窓への防犯フィルムといった、一見地味な対策が効くのはこのためです。
なお、空き家が狙われるのは金品目当ての侵入窃盗だけではありません。一度「管理されていない家」と見なされると、ゴミの不法投棄の場所にされたり、放火の標的になったりするリスクも上がります。
誰も住んでいない家は、動物にとって理想的な住処です
もうひとつ、実際に伺ってみて初めて発覚することが多いのが、害獣・害虫の営巣です。人の気配がなく、天敵もおらず、雨風をしのげる空き家は、野生動物にとって願ってもない環境です。
侵入経路は、経年劣化で生じたわずかな隙間です。ハクビシンは体長が100センチ近くありますが、直径9センチほど、つまりタバコの箱が通る程度の穴があれば頭を押し込んで入ってきます。ネズミに至っては2〜3センチで十分です。多いのは、網が外れたり錆びて破損した床下換気口、外壁や軒下の破損箇所、屋根と屋根の隙間などです。スズメバチやアシナガバチも、人通りのない軒下や伸び放題の庭木の中に巣を作ります。
被害は建物そのものに及びます。ハクビシンやアライグマは決まった場所で排泄を繰り返す「ため糞」という習性があり、屋根裏の一箇所に大量の糞尿がたまります。強烈な臭いが家中に広がるだけでなく、水分で天井板や断熱材が腐り、ひどい場合は天井が抜け落ちます。原状回復にかかる費用の目安は、被害の進み具合で大きく変わります。
| 被害の程度 | 必要になる作業 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 軽度 | 初期の侵入。1〜2匹の追い出しと侵入口の簡易封鎖 | 約5万円〜10万円 |
| 中度 | 複数匹の捕獲、糞の清掃、複数箇所の封鎖 | 約10万円〜25万円 |
| 重度 | 広範囲の繁殖。断熱材の交換、大規模な封鎖と殺菌 | 約20万円〜40万円 |
ここで注意していただきたいのは、ハクビシンやアライグマは鳥獣保護管理法で保護されており、一般の方が許可なく捕獲したり殺したりすることは法律で禁止されているという点です。捕獲するには狩猟免許を持っているか、自治体に有害鳥獣捕獲の許可を申請して許可証の交付を受ける必要があります。
千葉県内でも生息数は増え続けており、令和6年度の県内のアライグマ捕獲数は14,304頭にのぼりました。八千代市で生活被害にお困りの場合、相談窓口は経済環境部 環境政策課 環境共生班です。市が捕獲用の箱わなを設置する支援を行っています。
いずれにしても、営巣されてからでは費用も手間もかかります。定期的に外から建物を見て回り、隙間ができていないかを確認しておくことが、結果的にいちばん安上がりです。
巡回型の空き家管理サービスと、地域の便利屋の違い
空き家管理には、専門の代行サービスという選択肢もあります。実際に、大手の警備会社やインフラ企業、NPO法人などが参入しており、千葉県八千代市はこれらの主要なサービスのエリア内に含まれています。
月額料金の相場は、屋外の巡回だけなら3,000円前後から、換気や通水まで含むプランで7,000円から14,000円程度といったところです。月1回の巡回で建物の劣化を食い止めるという点で、これらは非常に合理的なサービスです。私たちも否定するつもりはまったくありません。
ただ、標準プランに含まれる作業は、基本的に外観と内観の目視確認、郵便受けの整理、簡単な窓開けによる換気と蛇口の通水に限られます。そして、実際に施設入居後の実家で困りごとになるのは、たいていその範囲の外側にあります。
| 作業内容 | 巡回型の空き家管理サービス | 家工房 八千代緑が丘店 |
|---|---|---|
| 建物の外観・内観の目視確認 | 標準プランに含まれる | ご依頼に応じて対応 |
| 郵便物の回収・整理 | 標準プランに含まれる | ご依頼に応じて対応 |
| 室内の換気・通水 | プランまたはオプションで対応 | ご依頼に応じて対応 |
| 庭木の剪定・伐採 | 標準プラン対象外。造園業者への再委託 | 対応可能(抜根は要相談) |
| 本格的な除草・草刈り | 都度見積もりの別料金 | 対応可能(春と秋の年2回が目安) |
| 大量の不用品・残置物の処分 | サービス範囲外。提携業者へ実費発注 | 対応可能(分別から搬出まで) |
| 契約の形 | 月額の定期契約が基本 | 必要なときに必要な分だけ |
樹木の伐採や剪定は、高所作業や刃物の扱い、切った枝の処分ルートが必要になるため、巡回スタッフでは対応できず、造園業者への再委託という形で別料金になります。夏場に腰の高さまで伸びた雑草を刈払機で一斉に処理する作業も、都度見積もりの別料金です。家具や家電といった残置物の撤去に至っては、そもそも管理サービスの範囲外で、提携業者への実費発注となります。
私たち家工房 八千代緑が丘店は、月額の契約で毎月必ず伺うという形ではありません。庭木が気になったときに剪定を、春と秋に除草を、売却の話が動き出したときに不用品の整理を、という具合に、必要なときに必要な分だけご依頼いただけます。巡回サービスと併用されている方もいらっしゃいます。
除草を年2回に絞るなら、6月と9月です
空き家の管理でコストを抑えるために、除草を年2回に絞るというご判断はよくあります。このとき、時期の選び方が結果を大きく左右します。
| 実施時期 | 狙い | 先送りするとどうなるか |
|---|---|---|
| 1回目:6月〜7月(梅雨明け直後) | 春から初夏に発芽した雑草が、水分と夏の日差しで一気に伸びる前に刈る。風通しが良くなり、カメムシや蚊の隠れ場所も減る | 草丈が腰の高さまで伸び、作業時間と費用がふくらむ |
| 2回目:9月〜10月(秋口) | イネ科などの雑草が花を咲かせ、種子を実らせて飛散させる前に刈り取る | 種が落ちて、翌春に生える雑草の数が大幅に増える |
「春と秋に除草をお願いしたい」というご依頼をよくいただくのですが、これは理にかなったご判断です。
数年放置した庭は、草刈りでは戻せなくなります
ここまで読んで、「うちの実家はもう何年も手つかずだ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
数年間まったく手を入れていない庭では、単に草が伸びているという段階を越えた変化が起きています。セイタカアワダチソウのような大型の雑草は根を深く張り、茎が木のように硬くなって低木化します。さらに放置が続くと、生命力の強い竹や笹が地中で根を広げ、敷地全体を侵食し始めます。やっかいなのがヤブガラシやクズといったつる性植物で、外壁や雨樋、ときには電線にまで絡みつき、巻き付く力で外装材や設備を物理的に壊していきます。
こうなると、家庭用の草刈り機ではもう歯が立ちません。重機やチェーンソーを使った本格的な伐開作業が必要になり、費用も数十万円単位に跳ね上がります。「もう少し様子を見よう」と先延ばしにした数年が、最終的にいちばん高くつくのは、この領域です。
「庭終い」という選択肢について
そこで最近増えているのが、庭終いというご相談です。
この先この家の庭を管理する人がいない、自分も年齢的に脚立には乗れない、それなら大きな木は思い切って全部切ってしまいたい。そういうご依頼です。実際、木がなくなれば毎年の剪定も落ち葉の掃除も不要になり、越境のリスクも消えます。防犯の面でも、身を隠せる死角がなくなるという効果があります。
ひとつだけ、正直にお伝えしておきたいことがあります。木を地際で切る伐採と、根を掘り起こす抜根は、まったく別の作業です。樹齢を重ねた木の根は想像以上に深く広く張っており、抜根は重機が必要になることも多い重労働です。私たちは費用と作業負荷の面から、抜根を積極的にはお受けしていません。「ついでに根も抜いてもらえますか」と軽くお尋ねいただくことがあるのですが、お見積もりをご覧になって驚かれることがほとんどです。売却にあたって更地にする必要があるなど明確な目的がある場合はご相談いただければと思いますが、そうでなければ地際での伐採で十分なことが大半です。
管理不全空家等に指定されると、固定資産税が上がります
最後に、放置を続けた場合の制度上のリスクにも触れておきます。
2023年12月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が改正されました。要点は、家が完全に朽ちて危険になる「前」の段階から、行政が是正措置を取れるようになったことです。
従来からある「特定空家等」は、そのまま放置すれば倒壊の危険がある、著しく衛生上有害である、といった深刻な状態を指します。今回新設された「管理不全空家等」は、そこまでには至っていないものの、放置すれば特定空家等になるおそれがある状態を指します。
国土交通省のガイドラインでは、窓ガラスや外装材の一部が破損している、排水設備が破損して悪臭を放っている、雑草が繁茂して害虫や動物が常態的に棲みついている、立木の枝が剪定されずに隣地へはみ出している、といった状態が判断の目安として挙げられています。この記事でお伝えしてきた話が、そのまま並んでいることにお気づきかと思います。
行政の手続きと、固定資産税への影響は次の通りです。
| 段階 | 行政が行うこと | 固定資産税への影響 |
|---|---|---|
| 調査・判定 | 近隣からの通報等をもとに現地を調査し、状態を判定する | 変化なし |
| 助言・指導 | 状況を改善するよう所有者に指導する | 変化なし。ここで対応すれば税負担は変わらない |
| 勧告 | 指導に従わない場合に勧告が行われる | 住宅用地の特例が適用除外になり、土地の固定資産税等が実質3倍〜4倍に |
| 命令・行政代執行 | 猶予期限を定めた命令。最終的には強制的な解体や伐採 | 特例の適用除外が続き、代執行の費用も所有者に請求される |
通常、住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用され、固定資産税の課税標準額が6分の1に軽減されています。改正前、この特例が外れるのは特定空家等に指定されて勧告を受けた場合のみでしたが、改正後は管理不全空家等の段階でも、勧告を受けた時点で適用除外になります。裏を返せば、助言・指導の段階で手を打てば税負担は変わりません。
なお八千代市は、令和3年3月に八千代市空家等対策計画を策定し、令和5年の法改正を受けて令和7年度に計画の改定を行っています。空き家全般のご相談窓口は、都市整備部の建築指導課 企画住宅班です。
八千代市で、実際にこんなご相談をいただいています
最後に、私たちが八千代市内で実際にお受けしているご相談を挙げてみます。ご自身の状況に近いものがあれば、それはもう相談していただいてよい段階です。
- とにかくしばらくの間、お隣さんへの迷惑にならないように庭木を剪定してほしい
- もうこの先、庭木を管理することも、できる人もいないので、庭終いとして大きな木は全て伐採してほしい
- 春と秋、除草作業をお任せしたい
- 外観だけでも良いので、定期的に家屋の点検をしてほしい
- 売却するにしても、改めて見ると「こんなに溜め込んでしまったのか」という大量の不用品に手が付けられない
どれも、月額の巡回サービスだけでは解決しきれないものばかりです。そして、遠方から通って自力でやるにはあまりに負担が大きいものばかりでもあります。
家工房が現地でお手伝いできること
私たち家工房 八千代緑が丘店は、実店舗を持たず、お電話一本で八千代市内へ駆けつける出張専門のスタイルで活動しています。施設入居後の実家については、庭木の剪定と伐採、春秋の除草、外観からの定期点検、不用品の整理と搬出、簡単な修繕まで、ひと通りご相談いただけます。
遠方にお住まいで立ち会えないというご事情も、よくお伺いします。作業の前後は写真でご報告いたしますので、離れていても状況を把握していただけます。
方針が決まっていない段階でのご相談も歓迎です。むしろ、決まっていないからこそ、家の価値を落とさずに時間を稼ぐという考え方が大切になります。料金は一律の目安ではなく、現地を拝見したうえでのお見積もりを徹底しております。
よくある質問
Q. 親が施設に入居しただけで、まだ売るとも決めていません。それでも相談していいですか?
A. もちろんです。むしろ、方針が決まっていない期間こそご相談いただきたいと思っています。決まるまでの間に庭木や湿気の問題が進んでしまうと、いざ売却という段になって余計な費用がかかってしまうためです。
Q. 遠方に住んでいるのですが、私が立ち会えなくても作業してもらえますか?
A. はい、承っております。遠方にお住まいのご家族様からのご依頼は非常に多く、作業前後の状況を写真でご報告する形をとっております。お電話とメールでのやり取りで進められますので、ご安心ください。
Q. 隣の方から庭木の枝が伸びていると言われました。どうすればいいですか?
A. まずは現地を拝見させてください。越境の程度によっては剪定で解決することがほとんどです。ご近所とのやり取りが気まずくならないうちに手を打っておかれることをおすすめします。
Q. 毎月の契約ではなく、必要なときだけお願いできますか?
A. はい、単発でのご依頼を承っております。春と秋の除草だけ、年に一度の剪定だけ、といったご依頼も多くいただいております。
Q. 大きな木を全部切ってしまいたいのですが、根まで抜いてもらえますか?
A. 地際での伐採は承っております。根を掘り起こす抜根については、樹齢を重ねた木ほど作業が大がかりになり費用も大きくなるため、積極的にはお受けしておりません。更地にする必要があるなど目的が明確な場合は、現地を拝見したうえでご相談させてください。
Q. 家の中に物が大量に残っています。どこから手をつければいいでしょうか?
A. まずは現地を拝見し、残すもの、処分するもの、判断を保留するものの3つに分ける作業からご提案することが多いです。一度にすべてを片付けようとせず、段階的に進めるほうが、ご家族の負担も費用も抑えられます。
Q. きょうだいの間で方針が決まっていないのですが、私だけの判断で依頼できますか?
A. 剪定や除草といった、家の価値を保つための維持作業であれば、ご相談いただいて差し支えないケースがほとんどです。ただし伐採や不用品の処分など、元に戻せない作業については、後々のトラブルを避けるためにも、ご家族の間で共有されてからのほうが安心です。判断に迷われる場合は、その点も含めてご相談ください。
まとめ。決まるまでの時間を、味方につけてください
親御様の施設入居をきっかけに実家が空き家になり、方針がすぐには決まらない。これは決して珍しいことではなく、全国の空き家のうち約4割が同じ経緯で生まれています。
問題は、決まらないこと自体ではありません。決まらない間に、庭が荒れ、郵便物がたまり、風が通らなくなることです。庭木の越境は改正民法のもとで隣の方が自ら切れるようになり、雑草と違って市の条例では指導の対象にもなりません。空き巣は郵便物と庭の状態を見て狙う家を選び、動物は9センチの隙間から入ってきます。
逆に言えば、庭と郵便物と風通しさえ止めなければ、話し合いにいくら時間をかけても構わないということです。焦って結論を出す必要はありません。
実家のことで気になることがあれば、私たち家工房 八千代緑が丘店にお電話ください。フリーダイヤル 0120-197-899、電話一本で八千代市内へ駆けつけます。
お電話でのご相談のほか、インターネットからのお問い合わせは24時間受け付けております。お急ぎでない方はこちらもご活用ください。